−香典は通夜と告別式,どちらに持参?
●通夜と告別式の両方に列席の場合は通夜に持参する
どちらが正しいというよりも自然な姿として,最初に弔問したときに差し出すのが常識です。この場合,翌日の告別式では,住所と氏名を受付で記帳し,二度にわたって香典を出す必要はありません。
通夜と告別式のいずれの場合でも,香典として贈るなら表書きは同じです。
−香典の金包は?
●「結び切り」の水引きを使用する
水引きの色が白と黒, 黒と銀,銀一色などは,仏式,キリスト教式,無宗教に。神式は白一色。蓮の花が印刷してあるのは仏式用です。ていねいにしたい場合は,印刷された金包でなく,水引きをきちんと結んだ包みを用います。金包の裏側の上下の折り方は,下を先に折り,上をかぶせます。
−香典の金額はどのくらい?
●月収の3〜4%が目安。ただし故人との間柄を考えて
香典は霊前に供えるもの,それに遺族への慰めの気持ちを含んでいますから,故人や遺族との間柄,また自分の経済力に見合った額にします。目安として月収の3〜4%くらいですが,親しい間柄ならば上乗せし,ふつうのおつきあいならそれなりの額を考えます。
●内袋に住所・氏名のほかに金額も書いておく
現金は,内袋に入れてから金包に包みます。内袋の表に金額を,裏には必ず住所,氏名をわかりやすい文字で書くのを忘れないように。これは喪家が整理しやすいようにとの心づかいです。
−表書きは?
●故人の宗教に従った書き方で。
香典は,故人へ手向けるものを現金にして供えるものです。仏式では香を焚きますから「香料」。神式は玉串を捧げますから「榊料」,キリスト教や無宗教の場合には生花を供えますから「御花料」となるわけです。
宗旨がわからない場合は,どの宗教にも用いられる一般的な「御霊前」とします。金包にも金額を裏側の折り目の中に記入すること。
肩書きや所属がある場合は,書いておくと喪家はわかりやすく重宝します。連名の場合は右が上位。三人以上は別紙に書き,表には「○○課一同」などとします。
−香典の渡し方は?
●包みが係の人に向くようにていねいに差し出す
本来はふくさに包んで持参し,ふくさをとってから霊前に供えるものですが,最近はポケットやバッグに入れて受付で渡すことが多いようです。
いずれにしても「御霊前にお供えください」のひと言を添え,香典の包みが,係の人に読める方向に向きをかえてから出します。差し出す前に,住所,氏名また包みのなかに金包みが入っているかを確認しておきます。
●通夜にも葬儀にも参列できないときは郵送する
都合で,通夜にも葬儀にも参列できない場合は,香典を電報為替か現金書留で送ります。現金書留にするなら香典袋に住所,氏名,金額を書き,お悔やみの手紙も同封できますから弔意と遺族へお悔やみの言葉を添えましょう。
香典に新札を使ってはいけない?
訃報は急に飛び込んできますから,「この日のために用意しておいた」と誤解されないよう新札を使うことはしません。ただ霊前に供えるものですから,あまり汚い札では失礼になります。新札の場合は,折り目を入れるなどして形だけ新札でないようにします。