手   紙

−改まった手紙を書くときの注意点は?
●「て」「に」「を」「は」を省略しない
   ごく親しい間柄ではついつい省かれがちな「て」「に」「を」「は」ですが,ていねいな手紙,目上の人への手紙で省略するのはタブーです。手紙を書き終えたあとに読み返し,しっかりとチェックしましょう。
●「前略」は使わない
   最初の季節のあいさつを省くときに用いるのが「前略」ですが,目上の人へは「拝啓」で始め,前付けのあいさつもきちんと書きます。「前略」とした場合は,あいさつ文を書いてはいけません。
●自分を指す言葉は行のはじめに書かない
   「私」などの自分を指す言葉や身内の者を指す言葉などが行のはじめにこないようにします。そのために,前後の文字数や詰め方を工夫して調節するようにしましょう。
●相手の名前を行の終わりに書かない
   先方の名前,敬称や「御」の字が行の終わりにこないようにします。もしも,行の終わりにきてしまったら,余白を残しても改行(行を変える)するようにしましょう。

ワープロで手紙を書くときは?
   原則的には,ワープロはビジネス通信に使うものと心得ましょう。しかし,悪筆を理由に筆不精になってしまうことを考えれば,目上の人に私信を出す場合以外は,それほど手書きに固執することもないかもしれません。
   ワープロの機能にもよりますが,@毛筆風の書体を選ぶA行間を広めに設定するH行末を揃えてしまわずに,句読点のキリのよいところで改行するC手描きのイラストを添えるD和紙などの素朴でナチュラル感のある便せんを使う,などを心がければあたたかなイメージの手紙になるでしょう。宛名と文末の署名は必ず自筆で記すことです。

−季節のたよりはいつ頃届くようにすればいい?
●年賀状は元旦の朝に届くようにする
  年賀状は,できるだけ定められた投函日までに出し,元旦の朝に先方へ届くようにします。
●暑中見舞いは立秋までに出す
   暑中見舞いは,梅雨明けの七月から立秋(八月七,八日ごろ)までの間に出します。いくら暑いからといって立秋を過ぎてから先方に暑中見舞いが届くようなことがないようにしたいもの。立秋をすぎると残暑見舞いに変わりますが,これもだいたい八月いっぱいが限度です。天気予報などでいう九月に入ってからの残暑の季節には,残暑見舞いは出さないと思っておいたほうがいいでしょう。
   なお,日付は,暑中なら年号の後に "盛夏",残暑の場合には "立秋"と書くか, "七月"あるいは "八月"と書くのが一般的です。
●年賀欠礼状は十二月初旬に到着するようにする
   喪中の年賀欠礼状は,十二月初旬に到着するよう早めに出すのが礼儀です。書面は新年のあいさつを遠慮させてもらう旨を最初に述べ,次にいつ,だれが亡くなったのかを簡単に記し,場合によっては故人に対する生前の厚情に感謝の意を述べるのが一般的。
   欠礼状を出さなかった人から年賀状が届いた場合は,松がとれ,寒に入ってから,いつ,だれが亡くなったのかを伝え,年賀状をもらったお礼と年賀を欠礼した非礼をお詫びし,新しい年の交情もお願いします。とくに親しかった相手なら,故人の思い出を書き添えてもいいでしょう。