−荷物送りはどのようにするのがいい?
●儀式としての荷物送りは減少の方向に
新生活のための家具や調度品などを新婦が新居へ運ぶことを「荷物送り」あるいは「荷出し」といいます。しかし現在では,家具店やデパートから新居に直接配送してもらうケースが多く,荷目録なども形式だけのものになっているので,二人で新居での新生活の準備を整えることが,現代の荷物送りに相当するといえるでしょう。
しきたりに従うなら,新婦の親戚の中の男性に荷宰領をお願いし,荷物とともに荷目録を託し,新居まで運びます。荷宰領は新郎に荷目録を渡し,荷を納めたら,荷預かり書を受け取って新婦側に帰り,無事荷を預かってもらったことを報告します。しかし最近では,父親や新婦本人が荷物送りの責任者になることも多いようです。
●現代的にするなら家具など大きなものから運ぶ
現代的にするなら,購入した品は店から着日指定で新居に届けてもらい,身の回りのものや小物類だけ双方の実家から運ぶようにするといいでしょう。家具など大きなものをあらかじめ決めておいた場所に設置し,小物類はあとからゆっくり整理していきます。運送屋さんなどには気持ちとしてご祝儀を渡し,手伝ってくれた友人や家族はもてなして労をねぎらいましょう。
−婚姻届けはいつごろに?
●挙式当日に届け出るのが理想
現在の日本では法律上,夫婦と認められるためには婚姻届を出さなければなりません。市区町村の役場で用紙をもらい,新郎新婦それぞれと証人二人が署名・捺印して戸籍係に提出します。届け先の役場は新居のある地域の役場,あるいは夫か妻の本籍地の役場などになります。
挙式当日に届け出るのが理想ですが,本籍や姓が変わると運転免許証などの記載事項も変更しなくてはならないため,新婚旅行中に免許証を使う人は,その点も考慮して届け出ましょう。
●婚姻届に記入する前に姓と本籍地を決める
婚姻届を出すには,婚姻後の姓を決めることと,本籍をどこにするかについて二人で合意しておくことが必要です。現在の法律ではまだ,婚姻後の姓は夫妻どちらかの姓を名乗ることになっていますが,男性の姓とは限りません。目下,夫婦別姓についても検討されています。また本籍についても日本国内どこでもよく,これまでの本籍地か新たな住所地など,二人にとって意味のあるところ,便利なところとしてはいかがでしょう。それには,二人の新生活をスタートする住所地を本籍にしたらいいのではないでしょうか。
−転出・転入届,その他の手続きは?
●住所,本籍,姓の変更に伴う手続きを
結婚によって住所が変わる場合は,それまで住んでいた地域の役場に転出届を出し,これから住む地域の役場に転入届を出して住民登録をします。もし新居がこれまでと同じ役場の管内であれば,転居届のみを出します。転出・転入届とも,引っ越した日から十四日以内に提出します。
そのほか運転免許証,パスポート,社会保険,印鑑届け,銀行や保険会社などに,改姓や住所変更に伴う届け出,手続きをします。
退職願,休暇届,社会保険など勤め先でも手続きを
結婚をきっかけに退職する場合は,退職時期が決まったらその旨を上司に口頭で伝え,改めて退職願を提出します。また,社会保険の手続きをします。年金と健康保険の変更,雇用保険による失業給付があるので,退職前に会社の人事課,厚生課などでよく聞いておきましょう。
仕事を続ける場合は,早めに休暇届けを出し仕事に支障がないように心を配りましょう。また勤め先に結婚届けを出し,扶養家族ができる人は健康保険や年金,税金,家族手当などの手続きをしてもらいます。勤め人の被扶養者になる女性は,第3号被保険者の手続きを役場に届けることを忘れずに。