新生活の準備

−住居を決めるポイントは?
●生活プランに合わせて決める
   二人の新生活の拠点となる新居は重要な課題。ゆっくり時間をかけて話し合いたいものです。
   まず二人の人生,生活プランをしっかり検討しましょう。共働きをするのか,自営業を営むのかなど,仕事との兼ね合いと経済的条件を考慮します。これらの条件をもとに賃貸にするのか,思い切って購入,新築するのか,あるいはこれまでどちらかが住んでいた家に一緒に住むのか,親と同居するのかなど,いろいろな選択肢の中から人生のスタートにふさわしい拠点を考えます。
   親と同居する予定がない場合は,最初は二人だけの手軽な部屋からスタートし,少しずつ大きい所に住み替えるのがいいでしょう。また将来同居するなら,親ともときどき話し合い,当初から将来設計をきちんと立てておくべきです。
●家賃は収入の三割以内に収まるように
   新居選びは,住居費に家計費からどれくらい充てるのが妥当かを試算し,希望に合った物件を根気よく探しましょう。賃貸の場合,家賃は収入の三割を越えないようにします。入居時には敷金,礼金,不動産会社の手数料引っ越し代などかなりまとまったお金がかかることを頭に入れておくことです。
   住居の広さ,交通の便,環境,新しさ,日当たり,最寄り駅やスーパー,学校,病院までの距離などさまざまな希望がある場合は,優先順位をつけると選びやすいでしょう。共働きの場合はとくに,家事の負担のかかりやすい妻が勤め先に通いやすいような立地への配慮も必要です。
   また,図面だけで決めてしまわずに,候補に上がった物件は必ず実物を見せてもらいましょう。下見はほとんどの場合,不動産屋さんが同行して車で行くことが多いので,気に入ったら,もう一度自分の足で歩いて行ってみることです。実際に自分の足で歩いてみると,思ったより駅やバス停から遠いということも。時間が許せば,夜の雰囲気を確かめてみるのもおすすめです。
●新居購入は資金計画をしっかり立てて
   新たに住居を購入する場合は,十分下調べをして資金計画を立てなくてはなりません。資金計画は新生活の家計に大きな影響を及ぼしますから,二人でトータルとしての生活プランを立て,自己資金の調達とローン返済の予測をします。自己資金は価格の25〜30%がおよその目安。残りはローンでまかないますが,返済額が生活費の30%弱に収まるようにします。なおローンを組むときは,妻も働き続けるのか,あるいは子どもができるまでかなど,将来の方針とその対策についての合意が必要です。

−新生活用品の揃え方は?
●家具選びはライフスタイルや好みを話し合って
   家具はこれまでは結婚時に婚礼セットとして買い揃える例が多く見られましたが,現代の深刻な住宅事情では,スペースの広さをきちんと頭に入れたうえで,二人のライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。一方の好みだけで決めてしまわず,納得がいくまで話し合いましょう。初めは必要最低限のものだけを揃え,必要と家族の成長に応じて買い足せるように考えるといいでしょう。また独身時代に購入した家具や電化製品で気に入ったものがあれば,無理をして新しいものに買い替える必要はありません。
   必要なものが決まったら,部屋の図面にレイアウトしてみると,計画が立てやすくなります。部屋の寸法を測り,家具の配置を書き込んでみるのです。壁面の凹凸やコンセントの位置,今ある家具がとるスペースなども正確に記入しておきます。買うときにはメジャーを持参して,実際に測ってみながら家具の収まり具合を確認します。その際,実際に室内に置くと売り場に展示してあるよりも大きく感じることも考慮しておきましょう。
   家具は長く使うものですから,できるだけシンプルで飽きのこない,多少は高価でも質の高いものを選びます。また,できるだけ品数が揃った大きな専門店でまとめて買うのが理想です。専門店に行っても欲しいものが見つからないときは,カタログを見せてもらいましょう。ただしその場合は,実物とイメージが違っていたということがないように,お店にある同じ材質のものを見て質感を確認しておくことです。
   なお,家具の搬入日は他の荷物より早めに設定します。まず大きいものから部屋の中に運び入れ,そのあとで小物や収納家具の中に入れるものという順序だと,スムーズに片づきます。
●生活用品は必要に応じて買い足す
   日常の生活用品も,まず必要最低限のものをリストアップしてみましょう。毎日使う必需品は結婚を機会に良いものをきちんと揃えておき,そのほかは必要に応じて買い足していくのが賢明な方法です。また親しい友人から結婚祝いの希望を聞かれた場合には,具体的に必要なものをお願いして贈ってもらうのもいいでしょう。
   家電製品は,予算や置き場所のほか,維持費や使いこなせるかどうかなどのチェックも忘れずに。まず毎日使うもの,冷蔵庫,掃除機,洗濯機など家事労働に必要な基本的なものから揃えます。
   また,実際に生活を始めてみると,意外に細々とした必要なものが出てくるもの。予算には余裕を持たせましょう。