−引出物の準備はいつごろ,どんなものを?
●引出物は荷物にならないものを
引出物は,披露宴の招待客にその場で贈るものですから,お年寄りや遠方から列席する方たちのことも考えて,かさばらず軽いものを選びたいものです。一般的には,食器など記念になる品にお菓子を添えて五〜六千円程度が多いようです。のし紙は紅白十本の結び切りにし,表書きは「寿」,下には双方の姓を書きます。
記念品を選ぶポイントとしては,しゃれた実用品や気の利いた調度品で,多くの家で使うもの,いくつあってもいいもの,自分では買わないけれど便利な品や楽しい品がいいでしょう。
また最近の傾向として,カタログを見て品物が自由に選べるシャディのアズユーライク(カタログギフト)の人気が急上昇しています。軽くてかさばらないこと,品物が選べるといった点のほか,予算に合わせたコースが揃っているので贈る側の便利さも受けているようです。
ただし,引出物に関しては地域による習慣があり,所によってはかさのある品が喜ばれたり,果物,ねり製品,あるいは寝具を必ずつける習慣があったりと,各地ごとにさまざまな特徴があります。こうした点を考慮しながら多くの招待客が喜んでくれそうな品を選び,そこにちょっと自分たちらしさを表すように考えましょう。
シャデイのアズユーライク
カタログギフトの代表商品
二十代から六,七十歳代まで,広い年齢層の人たちにすべて喜ばれる引出物を選ぶのは至難の技です。本来喜びを分かちあうはずの引出物の選定が,当事者にとって苦痛のタネになっていることも多いようです。
そこでおすすめしたいのが,シャディの“アズユーライク"(お気に召すまま)というカタログギフトです。カタログを贈ってそのなかから好きなものを選んでいただくというシステムです。結婚式の引出物に限らず,内祝・記念品・仏事(法要)ギフトなどにも巾広く活用されています。千五百円〜十万円コースまで十三種類があり,カタログの商品掲載点数も多いもので三百点以上。贈る側,贈られる側にも満足感を与えているようです。
−地方に見る引出物の違い
引出物には記念品のほかに菓子類,鯛や赤飯などの折り詰め,鰹節などの乾物類と,いろいろなものがあり,地方によっても組み合わせが異なります。ここでは,とくに特徴的な地方の引出物を紹介しましょう。
◆紅白の餅やまんじゅうはお祝いにつきもの
多くの地方で,菓子のほかに紅白の餅やまんじゅうをつける習慣があります。石川県では,鶴亀と紅白のまんじゅうをつけるところが多く,滋賀県の長浜市周辺では「おちつきぼた餅」という紅白の餅をつけます。鳥取県でも紅白の餅をつけます。兵庫県淡路島では「お嫁入りまんじゅう」という紅白のまんじゅうをつける場合もあります。
また菓子の種類にも地方色があり,岩手県,三重県などでは,鶴亀や梅をかたどった和菓子をつけます。佐賀市周辺では「まるぼーろ」「千代結び」という菓子を添えることがよくあります。香川県の西讃地方から愛媛県の東伊予地方にかけての地域では,「おいり」という菓子をつけます。これは,色とりどりの米菓子のほかにあられやせんべいなどが袋に入ったものです。
◆新潟県では「松の葉」をつける
新潟市周辺では,記念品,菓子,果物などのかご盛り,赤飯,松の葉の五品が一般的です。松の葉というのは,名刺がわりに贈る品で,タオルや風呂敷,テレホンカードなど千円程度の品を新郎新婦の名で出します。なお新潟県では,一人に一つという渡し方が一般的で,夫婦で来られた場合は同じ品がいかないように,記念品やかご盛りは数種類用意しておきます。
◆富山県ではお祝いごとにかまぼこが欠かせない
富山県では,記念品,引き菓子,赤飯,細工かまぼこの組み合わせが多く見られます。細工かまぼこは,鯛や富士山などのおめでたいものをかたどっており,富山県のお祝いごとには欠かせないものとされています。かつては大きくて華やかなものが喜ばれていましたが,最近は小さくても味に工夫をこらしたものが主流のようです。
◆愛知県や岐阜県では二人の名前で贈る品がつく
愛知県,岐阜県では,記念品,引き菓子,鰹節パック,赤飯などのほかに,「名披露(なびろう)」または「名披露目(なびろめ)」といって新郎新婦の名で贈る品をつけます。岐阜県では以前は二人の名前を染め抜いた風呂敷を用意しましたが,最近は箸置きやテレホンカードなど千五百円前後の品が使われています。
また長野県飯田市周辺では,記念品を新郎新婦の名で贈ったり,新婦のみやげとして千円くらいのタオルや風呂敷をつけたりします。新婦のみやげの表書きは,新婦の名だけを書きます。広島市周辺でも新婦のみやげとして和菓子をつけることがよくあります。
◆かさのある記念品を家に届ける場合も
記念品として寝具を用意することがあるのが,秋田県,山形県,南信地方など。秋田県横手市周辺では,記念品と口取り(盛り合わせ料理の折り詰め)のほかに,披露宴の料理を折りに詰めて持ち帰っていただく習慣があります。そのため,とくに寝具などかさのあるものを用意する場合には,式の二〜三日前に記念品だけを家々に届けることもあります。