結婚式までの準備

−招待状の手配,祝辞の依頼は?
●招待状は一か月前には先方に着くように
   披露宴の招待状は,遅くとも先方に一か月前には着くように印刷し,発送します。招待状には,だれとだれの結婚披露か,媒酌人の名(キリスト教式の場合なら司式者と立ち会う証人の名),もてなしの内容,日時場所を明記します。さらに,服装についてのことわりも記入するのが招待に際してのマナーですし,出欠の返事を必要とするときはその旨のお願いも書き添えます。
   返信用のはがき,封筒も一緒に注文し,挙式にも参列してもらいたい方へは別に依頼文を添えます。また招待状の宛て名は筆書きが常識とされていますが,あまりこだわらなくていいでしょう。ただし,ワープロや印刷シールは失礼にあたります。
●祝辞はそれぞれの関係から一名ずつくらいに
   祝辞をお願いする人数は,新郎新婦それぞれの側から主賓とそのほか三〜四名ずつが無理のないところです。そこで,上司や恩師を頭に,先輩,友人など,それぞれの関係から代表一名くらいずつにお願いするのがいいでしょう。お願いする方が決まったら,直接または手紙などでその旨を伝えます。その際に,どういう立場のスピーチか,ほかにだれが話すかなどもお知らせしましょう。

−披露宴の司会,諸係の依頼は?
●司会者をだれに頼むかが披露宴の成否のカギ
   司会者はけっこう気骨の折れる役だけに,先輩に頼むのは失礼であり,後輩では先方が気後れすることもありますから,同世代で親しい間柄の人,二人のためにひと肌ぬいでくれるような人が適任といえます。できれば,二人の家族や職場の状況などにも通じている人がいいでしょう。お願いする人が決まったら,招待客の顔ぶれとどんな披露宴にしたいのか基本を伝え,細部にわたっては家族や媒酌人の意見も入れて話し合います。
   また参会者が一五〇人,二〇〇人というような大宴会であったり,ビジネスがらみの来賓が多いときには,プロの司会者に頼むのもいいかもしれません。プロに頼むときは,二人の生活環境や招待客との関係など人間関係をよく説明しておくことが大切です。
●仲のいい友人や同僚に世話係をお願いする
   受付係は,宴会の顔ともいうべき役目。男女それぞれの関係から二名ずつ,できれば職場関係者と面識のある人と,もう一人は家族とも親しい人がいればいちばんです。カメラマンを素人に頼む場合は,二〜三人に頼むと気が楽でしょう。そのほかビデオ担当,録音担当,場合によっては音楽担当,また接客係も必要でしょう。

−親戚,ご近所へのあいさつは?
●挙式一,ニ週間前には親戚,ご近所へあいさつを
   挙式当日の一,ニ週間前になったら,親戚やご近所など必要なお宅へあいさつ回りをはじめましょう。近所へのあいさつは,とくに親しくしていただいたり世話になった家を重点的に回ればいいと思います。うかがう際にはとくに着飾る必要はなく,持参する品物もいりません。親戚などへはせいぜい手みやげの菓子折り程度でいいでしょう。これまでのおつき合いに対してのお礼とお別れのあいさつとともに,ご近所へはあとに残る家族とのおつき合いをお願いしておきます。もちろん,お祝いをいただいた方へはそのお礼も述べましょう。

挙式の直前,身内に不幸があったら・・・?
   万が一,挙式直前になって家族が死亡した場合は,常識的には忌明け(四十九日または三十五日)以降に延期しますが,直前に延期の通知をもらっても招待客には迷惑でしょう。「故人の強い意向で」と断って,挙式した例もありますし,要は故人との関係や参会者の気持ち次第です。双方でよく話し合って決めましょう。その際,本人たちの気持ちを最優先させることが大切です。
   また家族の急病や事故のときは,式や披露宴を行ったほうがいいでしょう。おめでたい席なので理由は伏せて,司会者か媒酌人から出席者に家族の欠席をお詫びしてもらいます。