結婚式までの準備

−海外で挙式するには?
●事前に十分な下調べと準備を
   ハネムーンを兼ねて海外で挙式するカップルが増えています。雰囲気がいいだけでなく,費用が比較的安くすむこと,人間関係のわずらわしさや古い慣習にとらわれずにすむことが人気の理由のようです。
   もっともポピュラーなのはハワイ,グアム,最近はオーストラリアも増えています。しかし欧米諸国の法律や教会には日本の教会よりも厳しい条件があり,ほとんどの場合は日本で婚姻をすませ,現地の教会では祝福を受ける程度のものになります。また,事前に日本国内で法的な手続きをすませておくことが条件になっているところも多いので注意しましょう。たとえばパリでは,「婚姻受理証明書」とそれをフランス語に訳したものが各一通必要になり,このような場合は早めに婚姻届を出し,同じ姓でパスポートを申請しなければなりません。
   いずれにしても,国や宗教によっていろいろと規則や決まりがあり,申し込みから手続き,必要書類を揃えるなど手間も時間もかかるので,半年前には準備を始めたほうがよさそうです。最近ではさまざまな旅行代理店が挙式を組み込んだ個性的なツアーを実施しているので,窓口で相談するといいでしょう。

−媒酌人をお願いするときのマナーは?
●二人がぜひと思う方にお願いする
   現在では,紹介から挙式まで通して仲介をお願いする例はまれになっています。挙式当日の媒酌をお願いする方には,自分たちの大切な誓いを見届けてもらうのですから,できれば二人の共通の知人で,尊敬し,今後もおつき合いしたい方がいちばんでしょう。恩師や上司,先輩,あるいは親戚などの中から二人がぜひと思う方を選びたいものです。
●依頼のあいさつは二人揃って
   媒酌人をお願いする方を決めたら,できれば挙式の日時を決める前に内諾を得て,日程を伺っておきます。そうしたうえで,式場などが決まったころに正式に依頼のあいさつに伺います。そのときは二人揃って出向くのがマナーです。
   前もって先方の意向をたずね,ご自宅におじゃまするか,どこかほかに席を用意してもいいでしょう。ワインなどのお酒か菓子折りなど,祝い事にふさわしい手みやげを選んで二人の名で持参します。この時点では親は同行しなくてよく,どんな式・披露宴にするか,何人くらいの参会者でどんな顔ぶれかなど,おおまかな予定をお知らせします。また,媒酌人夫妻の意見も伺いましょう。

−挙式の参列者と披露宴招待客の決め方は?
●本人と直接関係の深い方を中心に
   披露宴に招待するのは本人が世話になった方や親しい方が中心で,おじおばなどの親戚,学校時代の恩師,友人,職場の上司,先輩,同僚などでしょう。親の仕事上の関係者については,親の仕事を受け継ぐような場合には,若夫婦として今後親交を持つことになるのですから招待すべき方々といえます。
   リストアップした結果が,予約した披露宴会場の人数をオーバーしてしまったときは削らなくてはなりません。この場合は,本人の交友関係を中心に調整することです。また二次会をするなら,友人や後輩などはそちらに回ってもらってもいいでしょう。
   なお,男女で人数を揃える必要はありません。親戚の人数やこれまでの生活環境で差が出るのは当たり前のこと。むしろ人数を合わせるために無理な人選をするほうが,披露宴の雰囲気が今一つ盛り上がらないことになりかねません。関係者の範囲が偏らないように配慮すれば,あとは予算とにらみ合わせて人選すればいいのです。
   またどうしても出席してもらいたい方や遠方から招く方には,正式な招待状を出す前にお知らせし,お願いしておきます。

祝い客が来られたときのマナー
   お祝いを持参してくださった方には,お祝いごとにふさわしい干菓子と桜湯かこぶ茶などをお出しするのが一般的です。親しい方ならお酒などをすすめてもいいでしょう。
   お祝いの金品を受け取ったら,いったん床の間か飾り棚などの高い所へ納め,盆やふくさが添えられたままのときは,お帰りの際にお返しします。ただし,片木盆(白木の盆)はそのまま頂戴してかまいません。このとき,関西など地方によっては「おため」といって懐紙や半紙を抱き合わせに二つ折りにしたものをお渡ししたり,送られた金品の一割を祝儀袋に入れて添える習慣もあります。地域の風習わが家の方法に従えばいいでしょう。

結婚指輪の買い方は?
   結婚指輪の交換または贈呈はキリスト教の結婚式に不可決のものですが,神前結婚式,仏前結婚式でも申し出れば指輪の交換を式次第に入れることができます。
   結婚指輪は通常は男女ペアでするものですから,二人で宝石店に行き,それぞれ左手くすり指にはめてみて似合うもの,違和感のないものを選びましょう。一般にはプラチナか十八金のかまぼこ型が多いようですが,飽きのこないシンプルで上品なデザインがいいでしょう。リングの内側には,イニシャルと挙式の年月日を刻んでもらいます。サイズの調整と刻印に日数がかかるので,一か月くらい前には注文すること。指輪は夫婦が贈り合うものですから,互いに相手がはめるものを購入します。