婚   約

−婚約通知状の書き方は?
●多くの人たちに婚約の証人となってもらう最善の方法
   婚約を広く世間に知らせ,多くの人たちに証人になってもらえるのが,婚約通知の大きなメリットです。また,経済的ということでも婚約通知状による婚約発表は魅力的な方法と言えます。欧米では,婚約通知状による婚約発表は常識化した方法の一つ。友人や知人宛てに通知状を送るだけでなく,新聞の広告欄で発表することもあります。
   新聞の広告欄を使うことはまれですが,日本でも通知状を出すのが一般的となりつつあります。通知状をもってすべてに代えるというケースのほか,記念品の交換や結納,婚約式,婚約パーティなどのあとで通知状を出すことも多いようです。
   文面に規制はないので,本人同士で話し合って決めます。ただし,婚約した日付と挙式予定の時期の二つは必ず書き添えること。仲人や立ち会い人の名前も入れておくほうがいいでしょう。今後の変わらぬ友情と新生活へのアドバイスや指導をお願いするのも,交際を大切にする人たちにふさわしい方法。そのうえで,二人の人柄や個性が光るような内容であれば,受け取った側の感動もひとしおではないでしょうか。
   通知状を出す先は,親戚や恩師,先輩,友人や知人など。年賀状や暑中見舞いを出す範囲と考えれば間違いありません。しかし,職場や仕事の関係者などまで範囲を広げるのは非常識。はしゃぎすぎと解釈されても仕方ないでしょう。婚約はプライべートなことですから,通知状を出すのは個人的なつき合いの範囲と心得ることです。なお,通知状は二人の連名で出すのが原則です。

婚約通知状の文例
   菊薫る季節を迎え,ますますお健やかにお過ごしのこ
ととお喜び申し上げます。
   さて,私どもは,去る九月二十一日,○○○○様ご夫
妻にお立ち会いいただき,数年来にわたる交際を実らせ,
正式に婚約をいたしました。常日頃から皆様方にもお心
をかけていただき,ご忠告やアドバイスをいただいてま
いりましたが,ようやくお互いの気持ちの一致をみるこ
とができ,現在,希望に燃えて新生活の準備に勤しんで
おります。
   皆様からの度重なるお心遣いに感謝申し上げるととも
に,ここに婚約をご報告いたします。なお,挙式は来年
三月を予定しております。その折には改めてお知らせ申
し上げますので,ぜひご列席賜りますようお願い申し上
げます。
   どうぞ,今後ともよろしくご指導くださいますよう,
あわせてお願い申し上げます。
   取り急ぎ,ごあいさつまで。

−婚約後のつき合いで大事なことは?
●人生のパートナーとしての基盤づくりを
   婚約期間は,結婚への助走です。正式に婚約したら,新生活への準備を具体的に始めることになります。これまでのように恋人同士のつき合いではなく,相手の人となりを理解し合い,共同生活のパートナーとしてその基盤をつくっていくことが大切です。
   まずは相手の生活習慣や生活様式,環境などを容認し合うことです。そのためには,二人だけで過ごすよりも積極的に相手の家庭を訪問し,家族との交流も重ねて家族の中にいるときの相手を知ることも一つ。また,お互いの友人や職場仲間たちを積極的に紹介し合い,そうした環境での相手をよく見ることも一つでしょう。
●婚約者とはいえけじめを持って家族との交流を
   相手の家庭を訪問する際の手みやげは,家族あてにするのがエチケットです。身内に準じる婚約者という立場とはいえまだ家族ではないので,けじめを持ったつき合いを心がけます。
   訪問中は二人だけで話し合わず,家族全員とうちとけるような時間を。とくに,お互いの名前を呼び捨てにし合うなど,親の前で馴れ馴れしくしすぎるのは禁物。子供の婚約は親にとってうれしい反面,寂しさが伴うものです。家族に対する思いやりを持って,つき合いを深めていくように努力しましょう。食事をご馳走になるなら,家によってしきたりも違うので,先方の家族の指示に従って支度やあと片付けの手伝いを。
   家族とつき合うことは,家族予備軍としてお互いに理解と親交を深めることと同時に,家族の中での相手を知るのも大切な目的です。家族間でのつき合い方など精神面ばかりでなく,食事の仕方など生活の細部にわたってその家ごとに個性があります。相手の個性や考え方,生き方など,二人でいるときには気づかなかったことを結婚前に知って,自分の立場や対処法を心得ておきたいもの。どうすれば二人にとっていい家庭を築けるかをお互いに考え,計画することが大切でしょう。
●お互いの友人は紹介し合って共通の関係に
   結婚後もいい関係を続けていきたいと思う友人や知人は,婚約者にも紹介して共通の交友関係になるような土台づくりを心がけます。これは,自分の人間関係を知ってもらうことで,自分に対する相手の理解を促し,さらには,今後の交友を認め合うためにも必要なことです。なかには異性の友人などももちろんいるはずです。こうした場合も早めに婚約者に紹介し,一対一のつき合いというよりは,家族ぐるみの交友関係をつくるようにすることが大切です。相手に紹介できないような友人なら,思い切って交際を絶つ必要もあるでしょう。