婚   約

−婚約式を行う場合は?
●本人同士の誓いを重視したい場合は婚約式を
   第三者が立ち会って,婚約の誓いを交わすのが婚約式です。キリスト教徒にとっては婚約式が不可欠ですが,宗教と関係がなくても,本人二人の誓いを重視したい場合には婚約式という形がふさわしいでしょう。
   キリスト教にのっとり婚約式を行う場合は,方法や式場,必要事項,証人については司式の牧師や神父に尋ねて指示に従います。証人となる立ち会い人は,本人以外なら親やきょうだいなど,だれでもかまいません。このほか,親やきょうだい,友人などに参列をお願いするといいでしょう。
   宗教によらない場合はとくに決まった形式はありませんが,証人となる第三者が立ち会うことが第一条件。式としての体裁を整えたい場合には,友人などに司会を頼みます。場所は自宅や集会場,ホテルの一室のほか,ニ人にとって記念の場所など,婚約を誓い合うのにふさわしい場所であればいいと思われます。ただし,本人同士の思いつきを優先するあまり,出席する立ち会い人や付き添いに迷惑をかけないように注意を。また結婚式とは違うので,家族や親しい友人中心に人数をできる限り絞って内輪で厳粛な式にしたいものです。
●希望によっては誓約書や婚約記念品の交換も
   正式な式次第は,本人二人の入場・着席のあと司式者の開式の辞に続き,二人の誓いの言葉となります。二人の希望によっては誓約書への署名捺印や婚約記念品の交換などを行ってもいいでしょう。誓約書には本人二人以外に,証人もサインします。証人が二人の婚約を宜言し,婚約が成立します。全員で乾杯し,列席者の祝辞や二人のお礼や抱負のあいさつなども盛り込んで,式後は会食や茶会などのパーティを。

−婚約式にふさわしい服装は?
●結納と同じく準礼装か略礼装で
   結納と同様,婚約式の服装も準礼装もしくは略礼装が一般的です。しかし,時期や場所 参列してもらう人たちの便宜なども踏まえたうえで,どんな服装に揃えるのがふさわしいかを双方で打ち合わせることが大切。たとえば,多くの友人などにも立ち会ってもらう場合には堅苦しくならないように平服にすることも心遣いの一つでしよう。
   一般には,場所が一流ホテルの場合や列席者が格式を重んじる場合には準礼装に揃えます。個人宅で行う場合やあまり派手にしたくないというときには略礼装で。また参列者も,本人たちに格式を揃えることがマナーです。

−婚約パーティの演出と招待者は?
●招待者は心から祝ってくれる人に絞って
   友人や知人などの親しい人たちを招き,婚約を発表するのが婚約パーティです。パーティの参会者全員が婚約の証人となり,参会者から祝福を受けたり,婚約から結婚に至るまでの間の助言と協力をお願いします。大勢の人たちと賑やかに祝いたい場合に最適の方法です。
   方法は,本人たちが招待する場合と,友人や知人が発起人となってパーティ参加者を呼びかけて会費制で行う場合があります。前者のように招待にするなら,本人二人が自分たちの交友関係からどのような関係者を招くか,相談して決めます。人数や顔ぶれがだいたい決まったら,次は会場の手配を。会場によって予算もかなり違ってくるので,全体の予算を念頭に置いて人選してもいいでしょう。後者の場合には,発起人が本人たちと話し合って周囲に呼びかけます。この際,本人たちの希望を前提として進めていくようにしましょう。
   パーティとはいえ,結婚披露パーティとは内容が違うので,義理や職場関係の人などを招く必要はありません。普段から親しくつき合いのある友人や知人,親戚を中心に,心から祝ってくれる人たちだけに絞ります。
●婚約誓約書に署名捺印や記念品の交換などを
   パーティの演出は,会場選びから始まります。ホテルやレストランの一室,喫茶店などを貸し切りにして行う方法もあります。もちろん,本人二人どちらかの自宅を会場にしてもかまいません。人数が多ければ,ホテルの広間や公民館などを利用する方法もあります。しかし,いくら経済的に余裕があっても,芸能人の婚約や結婚披露のパーティではないのですから,内輪のパーティを心がけるべきでしょう。
   パーティのオープニングに二人の婚約を発表するか,誓いの言葉を二人が述べてもいいでしょう。欧米では女性の父親が娘の婚約を発表するのがしきたりですが,本人二人や信頼のおける先輩,親しい友人に発表してもらうほうが現代にふさわしいと思われます。
   パーティの規模によっては,さまざまな演出を交えるのが効果的。本人たちが音楽が好きなら,好みの曲を選んでBGMに流すのも個性が出せます。友人や知人からお祝いのメッセージや詩の朗読,花束を贈ったりするのも一つでしょう。会食形式なら,全員で乾杯して祝福するのがいちばんのお祝いになるはず。また内容に,婚約誓約書の署名捺印や婚約記念品の交換など,本人たちの希望で盛り込んでいきます。挙式の予定なども報告し,招待者や参会者一人ひとりに本人二人がお礼のあいさつをすることも忘れずに。