縁談を求めるとき

−縁談に必要な書類,書き方は?
●履歴書,生活状況は自筆でていねいに
   縁談を依頼するとき,写真のほかに用意するものは履歴書と生活状況を記した書類です。
   履歴書は万年筆か毛筆でていねいに書きます。用紙はとくに限定はされませんが,市販のものはそっけない感じを与えてしまうので,白い便箋を使いましょう。本人が書くのが原則です。書き方にもその人らしい個性が表れるからです。履歴書には,生年月日,現住所,学歴,職歴,資格などを書きます。
   生活状況は,自分をよく知ってもらうための資料です。身長,体重,健康状態,趣味,信仰があれば記入,生活信条などを書きます。家族状況は,父母,きょうだいなど二親等内の人の氏名,年齢,出身校と職業程度を記入します。別居している家族はその理由と居所を,亡くなった人はその年月日を簡単に記します。
   縁談の世話役がいちばん気にすることは,その人がどういう人を望んでいるかということです。ですから,相手について最低限の希望条件と結婚生活に対する考えを簡単なメモにして渡すといいでしょう。相手の年齢や職業,年収,親との同居の可能性の有無など具体的なことも大切です。

−縁談をすすめられたら?
●信頼できる紹介者か,自分に結婚の意思はあるか?
   適当な人がいるからと縁談をすすめられたら,お世話をいただく前にいくつかの点をチェックしてみましょう。
   第一は世話をする人の問題です。ほんとうに自分のためを考えてすすめてくれるのか,それとも興味本位や利害がからんでいて,お礼目当ての世話人ではないかなども検討してみる必要があります。面倒見の良さが災いして,あちこちに同じ縁談を世話して整理がつかず,結局はまとまる話もまとまらなかったという話もよく聞きます。好意は好意としながらも,慎重に対処すべきです。
   第二は,自分自身に結婚する意思があるかどうかです。交際中の相手がいるとか,片思いながら結婚したい人がいるようなときも,縁談に乗るというのはマナー違反ですし,自分自身の心に不誠実ということになります。

−書類を見て断るときのマナーは?
●一週間以内にはっきりと,しかしマナーを忘れず
   書類を検討した結果,どうも自分とは合わない,あるいは結婚相手としての条件に合わないと思ったら,書類を預かってから一週間以内に紹介者に返し,はっきりと断ります。結婚生活上の条件が合わないときは,その旨を正直に伝えたほうがいいでしょう。本人の結婚観が紹介者によくわかり,今後の参考になるからです。
   ただ,断るときのマナーとしては,相手を傷つけるような理由づけはしないことです。性格や身体的条件などを指摘して相手のプライドを損うことは,あなたの人格が疑われることになります。
   反対に,あなたが断られたら,紹介者にその理由をしつこく聞くことは慎みましょう。預かっていた相手の写真や履歴書などは,すぐに紹介者に返却します。いずれにしても,紹介者にお礼の言葉を伝え,また良縁を紹介していただけるようにお願いしておきましょう。

縁談を依頼したあとのフォロー
   依頼して早々に,経過をたずねるのは避けましょう。かといって,あまり長く放っておくと,もう決まったのでは,と思われるかもしれません。縁談の世話を引き受けてもらって二〜三か月過ぎたぐらいに,近況報告をかねて様子をたずねてみるのがいいでしょう。
   ただし,世話人にプレッシャーを与えるような言い方は控えましょう。あくまでもさりげなく,依頼の気持ちが継続していることを伝えるようにします。