慶事のマナー

−発表会・展覧会に招待するときは?
●相手への心づかいやマナーを心得て
   趣味の芸事で発表会に出演したり,展覧会へ出品するのは,本人にとっては,ひじょうに喜ばしいことです。できれば多くの方に観てもらいたいと思うのも当然ですが,いくらそれなりの成果が認められた結果とはいえ,本職の場合とは違います。招待するときにも,相手への心づかいやマナーは心得ておきたいものです。
   まず,相手の都合や趣味を考えて,押しつけにならないような配慮が必要。身内はともかくとして,友人や知人のなかでも,その芸事に多少なりとも関心のある方のみを招くようにします。また,素人芸を親てもらうのですから,案内状ではなく招待状を送るのが本筋です。ただしこの場合,むやみに招待状を送ると強制するようになり,相手に負担を与えることもあります。こういったことも考えて,相手の趣味や都合がわからない場合には,「もしご覧いただけるなら,受付に入場券を預けておきます」と一筆添えて,とりあえず案内状を出すといいでしょう。
   当日は,時間があれば客席に出向いてお礼のあいさつを。家族があいさつして接待してもかまいませんが,その場合は,後日,手紙や電話でお礼を述べます。

−発表会・展覧会へのお祝いは?
●できる限り出かけて観るのが,いちばんの贈りもの
   身内はもちろんのこと,友人や知人から発表会や展覧会の招待状が届いたら,とにかく出かけて観るのが最大の贈りものです。どうしても都合が悪い場合は,その旨を事前に伝えてお詫びしたうえで,受け取った招待券を誰かその芸事に関心のある人に渡して,代理で親てもらうのがいちばん。本人は,とにかく多くの人に自分の晴れ舞台や作品を観てもらいたいのです。足を運べる場合でも,肩入れしてあげたいと思うなら,その芸事に興味を持つ友人や知人などを誘って同行すればきっと喜ばれるでしょう。
   お祝いの品は,入場料程度の現金でもいいですが,楽屋に花や酒を届けるのが一般的です。展覧会なら,オープニングの日に祝電を打つのも祝い心を表す方法の一つ。即売する展覧会では,無理をする必要はまったくありませんが,予算的に見合うものがあれば,記念に購入するのがいちばんのお祝いです。この場合,好みと予算が合致する作品が多くある,会期の早いうちに出かけるといいでしょう。
   発表会にしろ,展覧会にしろ,後日,招待のお礼とともに,ひと言感想を伝えるのがマナーです。